結論:年収から差し引かれるのは主に税金と社会保険料
会社から支払われる額面年収には、毎月の給与とボーナスが含まれます。一方、手取りは給与所得税、住民税、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料などを差し引いた後のお金です。各種手当、会社の積立、社宅の利用料などの控除がある場合もあります。
「年収500万円なら手取りはいくら」と一律には決まりません。住民税は前年の所得で決まり、健康保険料は加入先の保険制度と都道府県支部等でも変わるためです。
2026年の所得税には制度改正がある
2026年分の給与所得控除は、収入が220万円以下なら74万円、220万1円〜360万円は収入の30%+8万円、360万円超〜660万円は収入の20%+44万円です(概算表現)。所得税の基礎控除は給与所得等の所得金額が489万円以下なら104万円、489万円超〜655万円なら67万円など、所得に応じて変化します。
大事なのは2026年12月1日施行・2026年分から適用という点です。2026年11月までの月々の源泉徴収額に、そのまま改正後の年額が反映されているわけではありません。年末調整を含めて考える必要があります。
例:年収500万円の考え方
たとえば額面年収500万円・扶養なし・会社員・40歳未満・協会けんぽ東京支部に加入していると仮定します。基本給が月額30万円でボーナス年間140万円の場合と、月額約41.7万円でボーナスなしの場合では、年収が近くても社会保険料の扱いや通常給与月の手取りが異なります。
このため、給与月の振込額と、ボーナスを含めて12で割った月平均手取りを混同しないことが大切です。くらしミエルでは両方の目安を別表示しています。
手取りの基本的な計算順序
- 年間の額面給与を確認する。月額給与×12+年間ボーナス。
- 社会保険料を見積もる。医療保険・厚生年金・雇用保険・該当者の介護保険。
- 給与所得控除を引いて給与所得を出す。これは給与明細の天引き額ではなく、所得税計算上の控除。
- 所得税の基礎控除・社会保険料控除などを差し引き、課税所得から年額所得税を推計。
- 住民税は翌年度に支払う分の目安として、別の年度で計算する。
給与所得控除は税金計算上の経費に似た仕組みで、給与から実際にその金額が減るわけではありません。混同すると手取り額を大きく見誤ります。
協会けんぽと会社の健康保険組合では額が違う
協会けんぽの2026年度保険料率は東京都9.85%、千葉県9.73%など都道府県ごとに異なります。原則として保険料は事業主と本人で折半するため、本人負担はその約半分です。40〜64歳には介護保険料率1.62%の本人負担分などが加わります。
大企業などで健康保険組合に加入している人は協会けんぽとは異なる料率になります。給与明細や加入先の資料を参照してください。
実際の給与明細と差が出る主な理由
- 厚生年金と健康保険は、報酬を一定の幅で区切った「標準報酬月額」で計算する。
- 住民税は前年所得と自治体の税額による。
- 扶養・配偶者・ひとり親・障害者・住宅ローンなどの控除は個別事情で異なる。
- 通勤費や社宅、会社独自の福利厚生、確定拠出年金等により明細が変わる。
生活費の予算に使うなら
家賃や生活費を決める場合、額面年収の月割りではなく、手取りの現金収入で考えましょう。ボーナスがある方は、ボーナスを毎月の家賃の支払い原資に組み込むと資金繰りが不安定になる場合もあります。手取りを確認したら、生活費比較で家賃・食費・光熱費を入力してみましょう。
よくある質問
Q. 手取りは額面の何割ですか?
同じ年収でも条件次第で異なります。「必ず8割」のような固定倍率を使うより、保険料と税額の内訳を確認する方が適切です。
Q. 2026年の給与から引かれる住民税は2026年収入が基準ですか?
原則として違います。2026年に徴収される住民税は、前年の2025年の所得が基準です。2026年の所得に対応する住民税は翌2027年度の課税対象となります。