名目金額と購買力は別のもの
積立で増えた残高は、ある時点の名目金額。それに対し、今の物価水準なら何円分の品物・サービスを買えるかを示すのが実質価値(購買力換算)です。日々の生活費を考えるときには後者も参考になります。
年2%の物価上昇が20年続くと
物価が毎年2%ずつ上がると、20年後の物価水準は現在の約1.486倍になります。20年後の1,000万円をその倍率で割ると、今の物価水準では約673万円相当という計算です。物価が必ず2%ずつ上がるという予測ではなく、比較のための仮定です。
今100円の飲み物が物価上昇に合わせて値上がりすれば、同じ100円で買える量は減るかもしれません。銀行や証券口座の残高が増えても、生活費が同じ割合で増えるとは限らない、という点が大切です。
複利がインフレに勝てば安心?
年5%で運用できてインフレ率が年2%なら、実質的な増え方は厳密には(1.05÷1.02)−1=約2.94%です。ただし毎年一定の利回り・物価上昇率が続くとは限りません。運用途中の大きな下落、コスト、税金があれば実質の増え方はさらに変わります。
利回り0%でも物価は上がり得る
投資をしないで現金のまま保有すると、数字上の残高は減らなくても、物価が上がれば購買力は低下する場合があります。一方、投資すれば元本割れのリスクがあるため、現金と運用資金にはそれぞれ役割があります。
生活費や年金とセットで考えよう
物価上昇は家賃・食費・光熱費にも影響します。生活費比較で現在の支出を確認し、公的年金予測で公的収入の概算を知ったうえで、積立シミュレーションのインフレ率を0%・2%・3%などで試すと、金額の見方が変わります。
インフレ率も将来の利回りも未知数
将来の物価は不確実です。高インフレ・低インフレ・デフレのいずれもあり得ます。試算結果だけで資金計画を確定させず、条件を変えながら幅を確認しましょう。
20年後の金額だけ見て、実質の価値を忘れた
中島さんは20年後に1,000万円を目標にしました。仮に物価が毎年2%上がれば、20年後の1,000万円の現在価値は概算で1,000万円÷1.02の20乗≒673万円相当です。
物価上昇率は予測できず、家計で買うものによって影響も異なります。目標額と必要な購買力を併記して考えましょう。
名目の資産額とインフレ調整後の価値の2つを確認する。
※氏名・状況・金額は理解を助けるために設定した架空の事例です。実際の契約や制度適用を保証するものではありません。